第13回全国藩校サミット 福岡宣言
江戸時代、藩校は全国二百六十余の藩に次々と設立されました。
地域に根差した藩校教育は、当時の青少年教育と文化振興に大きく寄与しました。全国藩校サミットは、そんな藩校教育の伝統と精神を生かし引き継ごうと、平成十四年東京都の湯島聖堂を皮切りに各地で開催されて来ました。
本日、私たちは天下統一の軍師・黒田官兵衛を藩祖とする福岡で「グローバル時代を拓く藩校の息吹」をテーマに、第十三回全国藩校サミットを開催いたしました。
福岡・博多は国宝「金印」の古代からアジアに開かれた日本の窓口でした。内外の多様な文化や人々が出会う豊かな交流の歴史がこの地の開放的な気質を形作ってきたのです。今日、博多港は外国旅客船入港日本一を誇り、国際会議の開催は東京に次いで全国二位です。
この源泉は天明四(一七八四)年に開校されて以来、文武両道の教育を行ってきた藩校にあります。明治四年、廃藩置県によって藩校の修猷館は廃校になりました。同館で学び、明治憲法起草や日露戦争講和に活躍した金子堅太郎翁が再興を献策。第十一代黒田長溥侯は金子を福岡に派遣し、私財をなげうつなど尽力され、同十八年、修猷館はよみがえったのでした。
そこには国際交流都市・福岡らしく「和魂洋才の精神」が反映されていました。校名は「福岡県立英語専修修猷館」。グローバルに進化したのです。
質朴剛健、自由闊達、不羈独立、和魂洋才の精神は、地球規模で活躍する人材を輩出し、戦後の復興発展にも寄与して参りました。その学風と志は今も文武両道に励む学生たちに息づいています。
戦後七十年、激動する国際社会のなかで、日本はどんな状況にも柔軟に対応できる人材が求められています。私たちは藩校スピリッツ「和魂洋才の精神」を未来にわたって教育の場に醸成することを目指し、その活動を積極的に支援することを宣言いたします。
平成二十七年十月三日
第十三回全国藩校サミット福岡大会実行委員会
藩校サミットとは
藩校とは、江戸時代に各地の藩が藩士の子弟の教育のために設立した教育機関のことです。藩士は、藩の体制を支えるとともに、領地を治めるための実務を担いますので、授業内容は主に漢学によって統治者として必要な政治倫理などの人間教養を修得したほか、幕末には医学や洋学、兵学などの実学も学びました。
福岡大会概要
※大会は終了しました
- 日時
- 2015(平成27)年10月3日(土)
受付開始12:30 開会13:00
終了17:30(予定) - 場所
- ホテルニューオータニ博多
4階「鶴の間」
(福岡市中央区渡辺通1-1-2 TEL:092-714-1111) - 定員
- 1,000名(予定) ※参加無料
※参加には事前の申し込みが必要です。 - 締切
- 定員になり次第締め切ります。